老人ホームで行う誕生日イベントと誕生日プレゼントの選び方について

多くの老人ホームでは入居者を退屈させないように様々なイベントを行っています。入居者ごとに誕生日を祝うのもイベントのひとつであり、施設ごとに様々な工夫が施されているのが特徴です。誕生日を祝うのは長寿を祝うことでもあるので、入居している高齢者にとっては大きな励みになります。

老人ホームで行われる誕生日イベントの詳細やプレゼントの選び方について学びましょう。

老人ホームでの生活の詳細や外出イベントの安全管理について


毎日の暮らしに張り合いを持たせる効果がある

誕生日を祝うのは成長への祝福を意味します。

そのため、成長期である子供の誕生日は盛大に祝う反面、すでに成長した成人の誕生日のお祝いは控え目な傾向があります。

特に高齢者に関しては年齢を重ねることを手放しに喜ぶことはできません。加齢による体力の低下は様々な疾患のリスクを増大させます。筋肉や骨も弱くなり、自力での歩行も容易ではありません。そのような高齢者にとって年齢が一つ増える誕生日はお祝いではなく、むしろ忌避したい一日になってしまうこともあるのです。

老人ホームが入居している高齢者の誕生日をお祝いするのは高齢者が年齢を重ねることをネガティブに捉えないようにする目的があります。年を取ることをネガティブに考えてしまうと生きること自体を苦痛に感じてしまう可能性があります。

生きる気力が失われてしまい、体調不良に陥るリスクが大きく増大してしまうのです。そのような事態を避けるためにも、老人ホームでは明るい誕生日イベントを積極的に行います。周りの人に誕生日を祝福してもらうことによって、年を取ることを前向きに考えることができるようになります。

その結果、生きる気力が湧き出て毎日の暮らしが楽しくなるのです。

高齢者への誕生日プレゼントは本人の希望と安全性を両立させることが大切

誕生日プレゼントは本人が欲しい物を選ぶことが何よりも重要とされていますが、高齢者に関しては必ずしも最優先とは限りません。本人が希望している物であっても、高齢者には扱いが難しい物や安全性が低い物は避ける必要があります。

特に老人ホームに入居している高齢者に対しては、他の入居者の迷惑にならないことも考えなければいけません。本人が欲しい物を無条件で与えるのではなく、高齢者でも安全に扱うことができることを確認したうえで選ぶのが贈る側に求められる姿勢です。

老人ホームで行われる誕生日イベントでは、安全性と高齢者の体調を考慮し、本人が好きな食べ物をプレゼントとして与えるのが一般的です。もちろん、健康状態によってはそのままの形で与えることができない物もあります。

そのような場合は細かく刻んだり、すり潰してとろみを加えるなど摂取しやすいように工夫しています。また、高齢者の多くは加齢によって食欲が低下していることから、数日かけて食べ切ることができるように日持ちがする物を選ぶのも誕生日プレゼントとして扱うコツです。

華やかなラッピングを施すことで特別な贈り物であることを演出し、誕生日を祝福していることをアピールするのも高齢者への祝福になります。自分の誕生日を祝ってくれることへの喜びが高齢者の心に程良い刺激をもたらし、心身の具合の改善へと繋がります。

贈り物のやり取りは他者とのコミュニケーションの一種であり、気力の低下から孤独になりやすい高齢者に対して効果的な接し方と言えます。

誕生日をお祝いするための費用と入居者への負担

老人ホームで行われる誕生日イベントは本人への祝福の他、多くの入居者に対するレクリエーションの意味も含まれています。入居者同士の交流を図り、関係を良好にする目的があるのも事実です。高齢者の入居施設における精神的なケアの一種と見ることもできますが、あくまでも入居者の誕生日に合わせた突発的なイベントなので、必ずしもすべての老人ホームで行われるとは限りません。

また、高齢者自身の希望で誕生日イベントを行わないケースもあり、施設や入居者の都合で実施の有無が決まるイベントは介護サービスとは見なされないのが普通です。誕生日イベントを行う際の費用は老人ホームによって内訳が異なります。

入居者の利用料金に雑費などの名目で最初から含まれている所もあれば、誕生日が近づくと対象者の親族に対して別途請求する所もあります。金額も老人ホームによって違いがあるので、場合によっては金銭的な負担が大きくなるのは否定できません。

誕生日のお祝いは高齢者の生活に張り合いを持たせるのに効果的なイベントではあるものの、老人ホームを利用するための支払いが滞る原因になっては意味がありません。金銭の事情を考慮し、親族と老人ホームの間で慎重に話し合いを行って決めることが重要です。

老人ホームでの誕生日イベントは複数の入居者をまとめてお祝いするのが一般的

老人ホームは多数の高齢者が入居している施設なので、個人別に誕生日イベントを行うのは効率的ではありません。日々の業務に支障をきたすので、日にちが近い複数の高齢者をまとめてお祝いするのが一般的です。合同の誕生日イベントにすることで回数を減らしつつ、より華やかな内容にすることが可能になります。

施設全体が賑わうので、誕生日をお祝いされる側の高齢者も大きな喜びを感じられるのです。他の入居者にとっても誕生日イベントは明るく華やかな雰囲気を楽しめる特別な日になります。毎日の暮らしの中でいつもとは異なる出来事が起こり、それに立ち会うのは思考力の活性化に繋がることから、老人ホームでの誕生日イベントは高齢者には最適と言っても過言ではありません。

誕生日プレゼントに適していない物の詳細

老人ホームは複数の高齢者が共同で暮らす場です。

そのため、他の入居者の迷惑になる物は誕生日プレゼントには相応しくありません。誕生日を迎えた本人が求めても、老人ホーム全体の生活環境を優先しなければいけないのです。

具体的な例としてはペットとして飼育されている小動物が挙げられます。犬や猫を飼うことで高齢者の精神的な緊張が緩和されることが知られていますが、老人ホームにおいてはペットの飼育は適切ではありません。アレルギー体質の人や小動物を嫌う人も一緒に暮らしているので、そのような人への配慮も忘れてはいけないのです。

同様の理由で観葉植物も避けるのが無難と言えます。花粉が飛散したり、植木鉢の土がこぼれて周りを汚すなどの不具合が起こるのが理由です。家電製品も誕生日プレゼントには不向きです。使用時は老人ホームの配線設備を拝借する形となるので、場合によっては施設の電気設備に悪影響をもたらします。

電池式の製品でも使用中に生じる雑音や電磁波がトラブルを引き起こす可能性があるので、誕生日プレゼントには適していません。